夜の木漏れ日

尻切れトンボの青空を
妨げさえする雨なのだった
冬の匂いはなじみが深い
あめつちが逆転するような日差しと
泡立つ皮膚を逆撫でる雨と
ゆらゆら消える虹なのだった

紫煙によって黄色に染まった真白い壁は
素晴らしい速度で近づくかにみせ
恐ろしい早さで遠ざかる
とも違う恐怖
真白いことがただ怖かった
怖いというより途方に暮れた
だって
こんなにも壁