しんなりするのはやがてのことで
もしどうしようもなくなれば
どうしようもないという言葉を忘れさえすればいいと知っているよ女子高生だったとしても
かつてそうであったように憎悪をくれと懇願してもすっかり幸せに慣らされて
かつてそうであったように随分の生暖かい赤黒い愛情をくれと懇願しても
すっかり幸せに慣らされていて
ルワリ、くゆる、果てのない感覚を逃がさないよう逃がさないよう抱きかかえている
いっそ薔薇なら良かったのにってだけ思うのは、愛しい愛しいというのと変わらない
もちろん己のことだ。
君ではない
君ではない

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切り裂いたサテンの音を耳の奥で大事にしている
――――青いはずだ
―――紺色かも知れない
!何せ明かりがない!
もしかするとサテンではなかったかも知れないが
それぐらいでいいしそれについては実にどうでもいい
想像を
薄汚れた銀の錆びついた古いもう鳴らないオルゴールを抱える運命のあの宝石箱を
ガラスだけ繋いだ棘ついたブレスレットや
熱を孕んだ光るすべすべの石や
薔薇の花を象ったルビーや